スポーツ
1. 床反力とスポーツ
地面から跳ね返る力 = 床反力 (グランドリアクションフォース)
床反力 (ゆかはんりょく) とは
床反力とは、名前の通り、床から跳ね返る力のことです。
人が立ったり歩いたりできるのは、人の重力に対抗して床が人を支え、足との間の摩擦で前に進む推進力を得ているからと言われています。
人が動いたり、重心を移動させるとき位は必ず床反力を使っている、ということになります。床反力は3つの方向に働くことが知られています
3つの方向に分けられる床反力 (ゆかはんりょく)
①前後方向に働く力
②左右方向に働く力
③垂直方向に働く力
足にかかる負荷とスポーツの関係
足にかかる床反力は動作の強度に比例して増大します。
体重60Kgの人の場合で例を示します。負荷は体重と並んで大きくなります
60kg 1倍
72~90kg 1.2~1.5倍
180〜240kg
3~4倍
立位(静止時)
歩行時(動作時)
激しい動作時(ランニング・ジャンプ)
足部の衝撃吸収はそのまま足や膝関節、股関節などの関節や筋肉にストレスを与えます。
衝撃吸収をコントロールすることで怪我の予防や負担軽減が可能となります。
2. ニュートラルポジション
ニュートラルポジションと骨格矯正
足部の衝撃吸収機能を最大限に発揮するためには、ニュートラルポジションへの補正が重要となります。
ニュートラルポジションに補正することで適切な骨格位置への矯正が期待されます
ニュートラルポジション
= 異常な力が加わらない足の姿勢が取れる自然な(足の)関節位置
足首が90度の位置
距骨下関節の中立位がポイント
歩行動画やレントゲン画像、ROM評価を基に患者それぞれのニュートラルを評価し固定するよう調整
ニュートラルポジションへの補正で期待される効果
⚫︎筋力のバランス改善
骨格のバランスが整うことで、筋力のバランスが向上し、筋力の効率的な使用が可能になる。
⚫︎姿勢改善
正しい姿勢を維持することで、筋力や関節への負担が軽減され、怪我のリスクが低下
⚫︎関節の可動域向上
骨格のバランスが整い、関節の可動域が向上。より効率的な動作が可能になる。
⚫︎疲労軽減
疲骨格のバランスが整うことで、筋力の疲労が軽減される。
3. スポーツと足病
足底腱膜炎
繰り返すダメージによる足底腱膜という組織の炎症
症状:⚫︎足の裏や踵の痛み ⚫︎歩き始めや朝一番に痛みが強くなることが多い
足底腱膜とは…?
足底腱膜は、かかとから指先までのアーチ状の部分を支える重要な組織。
足を蹴り出す時に牽引(けんいん)される力や、足裏にかかる体重や着地の衝撃などの負荷が常にかかっている部位で歩行や走行などの運動に必要な役割を担っている
シンスプリント
スポーツによる繰り返しの負担によって生じる過労性骨膜炎
症状:すねの内側の鈍くてズキズキするような痛み
押すと痛みが強くなる(圧痛)
なぜシンスプリントになるの…?
着地動作では足に体重が乗ったタイミングで足部周辺の筋肉が同時に動きます。
脛骨周囲の筋肉が過剰な負荷がかかることで脛骨や骨間膜に大きなストレスがかかり、このストレスが繰り返しかかることで痛みを引き起こします。
足部環境を整えることで症状が改善する場合があります。
4. アスリート向けの足病予防
【適切な靴選び】
スポーツの強度に応じたクッション性と足に合ったサイズを
⚫︎運動をするときは地面の硬さに合わせてクッション性のある靴を選びましょう
⚫︎それぞれの運動に合わせた専用の靴を履くことはとても重要です
⚫︎ランニングの時はランニング用シューズを、競技中は競技専門のシューズを着用しましょう
可能であれば水中のトレーニングや比較的柔らかい土やウッドチップの地面のトレーニング時間を増やすことで怪我の予防にもつながります
【歩行解析、関節機能解析の実施】
スポーツの強度に応じたクッション性と足に合ったサイズを
⚫︎運動をするときは地面の硬さに合わせてクッション性のある靴を選びましょう
⚫︎それぞれの運動に合わせた専用の靴を履くことはとても重要です
⚫︎ランニングの時はランニング用シューズを、競技中は競技専門のシューズを着用しましょう
可能であれば水中のトレーニングや比較的柔らかい土やウッドチップの地面のトレーニング時間を増やすことで怪我の予防にもつながります
【ウォーミングアップとクールダウン】
スポーツの強度に応じたクッション性と足に合ったサイズを
⚫︎運動をするときは地面の硬さに合わせてクッション性のある靴を選びましょう
⚫︎それぞれの運動に合わせた専用の靴を履くことはとても重要です
⚫︎ランニングの時はランニング用シューズを、競技中は競技専門のシューズを着用しましょう
可能であれば水中のトレーニングや比較的柔らかい土やウッドチップの地面のトレーニング時間を増やすことで怪我の予防にもつながります
5. 当院の治療
【装具治療】
スポーツの強度に応じたクッション性と足に合ったサイズを
⚫︎スポーツ用インソールを作成する場合はスタッフにスポーツ用インソールであることをお申しつけ下さい。
また実施するスポーツの種類、実施頻度も併せて伺います。
当院のインソールは米国足病学に倣ってLコードを模した処方です。
医師が技師装具士にインソールの素材、強度、全てをオーダーし作成します
【テーピング】
医療用インソールと同様の理由でテーピングによる足の姿勢(アライメント)矯正にはテーピングが有効です。テーピングによる矯正で外反母趾の悪化を防ぐことが可能です。
しかし、テーピングは装着の技術や貼り直す必要があるため、長期的には装具治療が優れているとされています。
【JFET(関節機能改善療法)】
理学療法士と足病専門医が考えるオーダーメイドリハビリテーション
関節機能検査の結果を基に計画を立案
筋膜リリースや体外衝撃波と併せて治療を実施
バイオフィードバックなどの機器を併用し、より効果的なリハビリを実施
怪我しにくい体づくりや、より良いスポーツパフォーマンスの向上につながります