爪のトラブルと当院のケア
爪の働きと機能
爪は髪や皮膚と同じタンパク質でできており、指先の保護や指先の微妙な感覚などにおいて重要な役割を担います。感覚の鋭い指先の保護と併せて特に足の爪は、体を支え踏み込む力を強く調整する働きがあります。
足のトラブルを放置する
身体を支える力が安定しない
よくある爪のトラブル
(そうこうひこう) (そうこうこうわんしょう)
・水虫・白癬=足の皮膚や爪に感染症が起きている状態。
・蒸れや湿気で真菌(=カビ)が繁殖して生じる。
■白癬
=皮膚の真菌感染
■爪白癬
爪の真菌感染
・爪の表面が凸凹になる、変色している
・爪が割れたり、横に溝ができたりしている
■爪甲肥厚
=足の爪が厚くなってしまう症状。
■爪甲鉤彎症
=足の爪が鉤のように湾曲してしまう状態
足の爪が周囲の肉に刺さりこんで成長する状態。
■巻き爪・陥入爪
=爪が巻いている状態
■陥入爪
=爪が周囲の肉に刺さりこんで成長する状態
爪のトラブルの原因
01. 爪の変形
爪の変形は圧力異常で生じます。
圧力異常は、大きく分けて2種類に分類されます。
①骨格や体の使い方により荷重時の(指先にかかる)床反力がうまく分散されない。
体からかかる圧力
(体重・荷重)
床から跳ね返る圧力
(床反力)
②小さすぎる靴や足の形に合わない靴を履くことで足の指に過剰な力や摩擦がかかる
外部からかかる力
(靴や摩擦など)
米国足病医学に基づくフットケアの実施、必要に応じて手術の実施
02. 感染
足部の感染で最も多いのが真菌感染症です。
足の裏は湿気がたまりやすく、真菌が繁殖しやすい環境にあります。
マットなどを介して感染
靴下や指の間など多湿部位で繁殖
皮膚から爪に細菌が移動=爪白癬
白癬菌の感染は初期症状がわかりづらいため、気になる場合は受診して検査しましょう※進行すると足の切断など重篤な症状につながる場合もあります
米国足病医学に基づくフットケアの実施、必要に応じて手術の実施
当院の治療
01. 米国足病医学に基づく再発させないを目指す巻き爪治療
当院は米国専用治療機器を用いて日帰りの巻き爪手術を実施しています。
痛みが少なく、術直後(当日)から歩いての帰宅が可能です。手術時間:20分程度
局所麻酔の実施
巻いている部分の切除
NaOHによる爪母処理
※米国治療機器は1㎜レベルで爪を除去するため痛みが非常に少ないのが特徴です。
爪を除去した後、NaOHという薬品を使用し爪母細胞を焼く処理を実施します。日本で一般的に使用されるフェノールという薬品と比較し、痛みが柔らかいことが特徴です
02. 足専門医による足底装具の処方
圧力異常の改善には足底装具(インソール)の使用が有効です。
歩行動画やレントゲンの情報をもとに作成する足底装具は、足裏のアーチを保持し
足裏の圧力を分散させます。結果として巻き爪など変形の原因解消につながります。
before
after
before
after
03. 内科医と連携した内服・外用薬の使用
当院ではガイドラインに沿った投薬治療により根治を目指します。
医師による診察
必要時細菌検査
適切な処方薬の選択
専門スタッフによる評価
糖尿病患者の下肢切断リスク…
7.4〜41.3倍
参考:糖尿病診療ガイドライン2019
足の感覚障害
3.09倍
足の血流障害
3.98倍
糖尿病性腎症
3.77倍
内科合併症疾患の予防・改善と併せて治療を進めていくことが大切