生活習慣病と足病
◾️肥満によるトラブル
①節負担の増大による痛みの出現
人の足は歩行時で1.5 倍、走行時は3-4倍の体重負担がかかります
膝には体重の約3倍の負担がかかると言われています。
体重増加による関節負担

体重
60kg
70kg
負担
180kg
210kg
3倍

※肥満による体重増加は筋肉の支えがない状態で関節への負担が増えた状態となるため、関節へのダメージは増大。
膝のみに関わらず、足関節、股関節でも同様の状態となります。
②重心位置の変化による影響
肥満によりおなかが出た体型では、
腰椎がおなかの重みに引っ張られます。
その結果体の重心が前方向によってバランスをとりづらくなります。
バランスが崩れた状態では転倒のリスクも高まります
また、腰椎ヘルニアやすべり症リスクも高まります。
体重増加により関節負担が増える
さらなる筋力の低下・体重の増加
痛みが出現する
悪循環
②痛みによる運動量の低下
関節負担により痛みが生じると、より運動意欲は低下します。
また、無理に運動することも関節の負担が強い状況はかわりませんので
疼痛の増悪や周囲の関節の柔軟性低下につながります。
安静にして動かない
適切な体重コントロールと筋力維持が大切です
◾️血流障害によるトラブル
①下肢血管の動脈硬化=下肢閉塞性動脈硬化症
生活習慣の影響により、血管は硬くなったり狭くなったりし、血液はドロドロになります。
足の血管で動脈硬化が起こると足先まで血液が届きづらくなり、虚血という状態になります。
虚血状態では足は(酸素などの)栄養がない状態なので、痺れたり、痛みを生じたりします。
放置すると足の切断が必要になることもあり、注意が必要です。

動脈硬化で足の血管が狭くなる・詰まる
間欠性跛行(間欠性波跛行)

歩いていると下肢に痛みや痺れが出現
休憩したり、さすったりすると改善する
潰瘍・壊疽(えそ)
傷がなかなか治らない
一部分だけ黒く変色している

②塩分の多い食事や筋力不足に伴う足の浮腫み
心臓からでた血液は、全身をめぐり、下肢では(主にふくらはぎ)の筋力
によって再度全身を循環します。この働きから足は第二の心臓と言われます。
年齢を重ねると筋力が低下し、ポンプ機能も低下します。
また、塩分の多い食事をとることも水分が血管の外に漏出する原因となるため浮腫みの助長につながります。
浮腫んでいる状態では感覚が鈍くなったり、傷が出来やすかったりするので
注意が必要です。

メタボリックシンドローム
◾️メタボリックシンドロームとは
生メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは糖尿病をはじめとする生活習慣病の前段階の状態を示します。
放置すると動脈硬化が年齢相応より早く進行し、ある日突然脳梗塞や心筋梗塞などを発症するリスクが高まります。
2型糖尿病になるリスクは約3倍、心血管疾患をおこしたりそれにより死亡するリスクは約3倍になるといわれています
<メタボリックシンドロームの判断基準>

腹囲
男性 85cm以上
女性 90cm以上

3つのうち2項目目以上該当
糖質異常症
中性脂肪 ≧150㎎/dl以上
かつ/または
低HDL血症<40㎎/dl
高血圧
収縮期(上の)血圧≧130㎜Hg
かつ/または
収縮期(下の)血圧≧85mmHg
高血圧
空腹時血糖≧110㎜Hg
(又はHbA1c 6.0以上)
命に係わる疾患を発症する前に予防行動に行動変容することが大切
まずは自分の状態を知ること、メタボに該当しないかどうかチェックしましょう